【2026年8月改正】高額療養費の計算:上限額といくら戻るか

最終確認:2026年10月1日2026年8月〜2027年7月の限度額(現行)年間上限に対応

医療費が高くなった月は、所得に応じた上限額を超えた分が払い戻されます。2026年8月から上限額が見直され、新しく「年間上限」ができました。総医療費か窓口で払った額を入れると、上限額・払い戻される額・年間上限までの残りを計算します。

条件を入れる

任意
万円 会社員は月収から区分を判定します
必須
円
そのほか

任意
円 8月から先月までの合計(年間上限の判定)

計算の内訳

総医療費(10割)1,000,000円
窓口で払う額(3割)300,000円
自己負担限度額85,800円+(総医療費−286,000円)×1%92,940円
高額療養費(その月の払い戻し)207,060円
年間上限による払い戻し0円
実際の負担92,940円

※ 保険の効く医療費だけが対象です。入院中の食事代・差額ベッド代・先進医療・自費の分は含めません。

※ 健康保険組合には、上限額より少ない額で払い戻す「付加給付」があるところもあります。

1か月の自己負担の上限(目安)
92,940円

窓口で払う額 300,000円払い戻し 207,060円実際の負担 92,940円

年間上限 530,000円(8月〜翌年7月)まで あと 437,060円

総医療費1,000,000円なら高額療養費で207,060円戻り、負担は92,940円(2026年8月〜2027年7月)

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医療費と自己負担のグラフ

窓口負担(点線)は医療費に比例して増えますが、実際の負担(実線)は上限額のところでほぼ止まります。色のついた部分が払い戻される額です。

010万20万30万40万 050万100万150万 総医療費(10割・円) 負担 92,940円

窓口で払う額実際の負担(上限で止まる)払い戻し

2026年8月から何が変わったか(70歳未満)

所得区分2026年7月まで2026年8月から多数回該当年間上限(新設)
区分ア年収約1,160万円〜252,600円+(総医療費−842,000円)×1%270,300円+(総医療費−901,000円)×1%140,100円1,680,000円
区分イ年収約770万〜約1,160万円167,400円+(総医療費−558,000円)×1%179,100円+(総医療費−597,000円)×1%93,000円1,110,000円
区分ウ年収約370万〜約770万円80,100円+(総医療費−267,000円)×1%85,800円+(総医療費−286,000円)×1%44,400円530,000円
区分エ〜年収約370万円57,600円61,500円44,400円530,000円
区分オ住民税非課税35,400円36,900円24,600円290,000円

※ 年間上限は8月から翌年7月までの自己負担の合計の上限です。最初の年(2026年8月〜2027年7月)の分の申請は、2027年8月から受け付けます(協会けんぽ)。

※ 区分エで標準報酬月額が15万円以下と確認できた人は、年間上限が41万円になります(2027年8月以降に払い戻し)。

年間上限で、長く治療を続ける人の負担はここまで下がる

区分ウ(年収約370万〜770万円)で、毎月の総医療費が30万円(窓口9万円)の治療が1年続いた場合です。

しくみ1年間の自己負担
毎月の上限(1〜3回目)85,940円/月
多数回該当(4回目から)44,400円/月
年間上限がない場合の合計657,420円
年間上限がある場合(2026年8月から)530,000円

※ 年間上限の分は、まとめて申請して払い戻されます。毎月の多数回該当とは別に効きます。

総医療費別の早見表(70歳未満・3割・2026年8月〜2027年7月)

1か月の自己負担(上限まで)と、払い戻される額です。

総医療費(10割)窓口負担(3割)区分ア区分イ区分ウ区分エ区分オ
100,000円30,00030,000戻る 030,000戻る 030,000戻る 030,000戻る 030,000戻る 0
300,000円90,00090,000戻る 090,000戻る 085,940戻る 4,06061,500戻る 28,50036,900戻る 53,100
500,000円150,000150,000戻る 0150,000戻る 087,940戻る 62,06061,500戻る 88,50036,900戻る 113,100
1,000,000円300,000271,290戻る 28,710183,130戻る 116,87092,940戻る 207,06061,500戻る 238,50036,900戻る 263,100
2,000,000円600,000281,290戻る 318,710193,130戻る 406,870102,940戻る 497,06061,500戻る 538,50036,900戻る 563,100
3,000,000円900,000291,290戻る 608,710203,130戻る 696,870112,940戻る 787,06061,500戻る 838,50036,900戻る 863,100
5,000,000円1,500,000311,290戻る 1,188,710223,130戻る 1,276,870132,940戻る 1,367,06061,500戻る 1,438,50036,900戻る 1,463,100

※ 区分ア 年収約1,160万円〜/区分イ 約770万〜1,160万円/区分ウ 約370万〜770万円/区分エ 〜約370万円/区分オ 住民税非課税。多数回該当・年間上限は含みません。

70歳以上の上限額(2026年8月〜2027年7月)

所得区分外来(個人ごと)世帯(入院を含む)多数回該当年間上限
現役並みⅢ年収約1,160万円〜—270,300円+(総医療費−901,000円)×1%140,100円1,680,000円
現役並みⅡ年収約770万〜約1,160万円—179,100円+(総医療費−597,000円)×1%93,000円1,110,000円
現役並みⅠ年収約370万〜約770万円—85,800円+(総医療費−286,000円)×1%44,400円530,000円
一般〜年収約370万円22,000円年間 216,000円61,500円44,400円530,000円
低所得者Ⅱ住民税非課税11,000円年間 96,000円25,700円24,600円290,000円
低所得者Ⅰ住民税非課税(所得が一定以下)8,000円15,700円—180,000円

※ 外来だけの月は「外来(個人ごと)」の上限、入院がある月や家族と合算するときは「世帯」の上限で計算します。外来の上限で払い戻しを受けた回数は、多数回該当の回数に数えません。

2027年8月からの予定:所得区分が13に分かれる

まだ「見直しの方針」です

厚生労働省の資料にもとづく予定の金額で、正式に決まる段階で変わる可能性があります。決まりしだい、このページを更新します。

所得区分(70歳未満)標準報酬月額月の上限額多数回該当年間上限
区分1年収約1,650万円〜127万円以上342,000円+(総医療費−1,140,000円)×1%140,100円1,680,000円
区分2年収約1,410万〜約1,650万円103万〜121万円303,000円+(総医療費−1,010,000円)×1%140,100円1,680,000円
区分3年収約1,160万〜約1,410万円83万〜98万円270,300円+(総医療費−901,000円)×1%140,100円1,680,000円
区分4年収約1,040万〜約1,160万円71万〜79万円209,400円+(総医療費−698,000円)×1%93,000円1,110,000円
区分5年収約950万〜約1,040万円62万〜68万円194,400円+(総医療費−648,000円)×1%93,000円1,110,000円
区分6年収約770万〜約950万円53万〜59万円179,100円+(総医療費−597,000円)×1%93,000円1,110,000円
区分7年収約650万〜約770万円44万〜50万円110,400円+(総医療費−368,000円)×1%44,400円530,000円
区分8年収約510万〜約650万円36万〜41万円98,100円+(総医療費−327,000円)×1%44,400円530,000円
区分9年収約370万〜約510万円28万〜34万円85,800円+(総医療費−286,000円)×1%44,400円530,000円
区分10年収約260万〜約370万円20万〜26万円69,600円44,400円530,000円
区分11年収約200万〜約260万円16万〜19万円65,400円44,400円530,000円
区分12〜年収約200万円15万円以下61,500円34,500円410,000円
住民税非課税—36,900円24,600円290,000円

対象になる費用・ならない費用

費用高額療養費の対象
保険が効く診察・検査・手術・入院の医療費対象
処方せんで調剤薬局に払った薬代対象(処方せんを出した医療機関の分と合わせて計算)
入院中の食事代・居住費対象外
差額ベッド代(個室など)対象外
先進医療の技術料・自費の診療対象外

計算の単位

  • 月ごと(1日〜末日)。月をまたいで入院すると、2か月に分かれて計算されます。
  • 医療機関ごとに、入院と外来、医科と歯科を分けて計算します。
  • 70歳未満の世帯合算は、1つの単位の自己負担が21,000円以上のものだけ。
  • 人工透析など長期の高額な治療(特定疾病)は、月の上限が10,000円(70歳未満で標準報酬月額53万円以上の人工透析は20,000円)です。

払い戻しを受けるまで

  1. 入院や高額な治療の前に:マイナ保険証で受診して限度額の情報提供に同意するか、保険者から限度額適用認定証をもらう。窓口の支払いが上限額までになる。
  2. 窓口で全額(3割など)を払った場合:加入している保険者(協会けんぽ・健保組合・市区町村の国保)に高額療養費の支給を申請する。自動で振り込む保険者もある。
  3. 受診した月から3か月以上たって振り込まれることが多い。申請は受診した月の翌月1日から2年以内。
  4. 年間上限の分:8月〜翌年7月の合計で判定し、まとめて申請する(最初の分は2027年8月から受付)。

よくある質問

高額療養費とは何ですか。
同じ月(1日〜末日)に医療機関や薬局の窓口で払った自己負担が、所得に応じた上限額(自己負担限度額)を超えたとき、超えた分が払い戻される制度です。健康保険(協会けんぽ・健保組合)、国民健康保険、後期高齢者医療制度のどれでも使えます。
2026年8月から何が変わりましたか。
1か月の上限額が見直され、たとえば年収約370万〜770万円の人は「80,100円+1%」から「85,800円+1%」になりました。あわせて「年間上限」が新しくでき、8月から翌年7月までの自己負担の合計がこの額(同じ人なら530,000円)を超えると、超えた分も払い戻されます。多数回該当(4回目以降の上限)の金額は据え置きです。
自己負担の上限は何で決まりますか。
年齢(70歳未満か70歳以上か)と所得区分です。会社員など健康保険の人は標準報酬月額(4〜6月の給与の平均で決まる額)、国民健康保険の人は旧ただし書き所得(総所得金額から43万円を引いた額)で区分が決まります。どの区分かは、加入している保険者から届く書類やマイナポータルで確かめられます。
窓口で上限額だけを払うことはできますか。
できます。マイナ保険証で受診し、窓口で限度額の情報提供に同意すれば、窓口での支払いが自己負担限度額までになります。マイナ保険証を使わない場合は、加入している保険者に限度額適用認定証を申請して窓口に出します。あとから払い戻しを待たずにすむので、入院や高額な治療の前に手続きしておくと安心です。
払い戻しはいつ、どうやって受けられますか。
加入している保険者に申請します(健保組合などでは自動で払い戻されることもあります)。医療機関からの請求の審査があるため、受診した月から3か月以上かかることがあります。申請できる期間は、受診した月の翌月1日から2年です。払い戻しまでの医療費が払えないときは、見込み額の8割を無利子で借りられる高額医療費貸付制度があります(協会けんぽ)。
入院中の食事代や差額ベッド代も対象になりますか。
なりません。対象は保険が使える医療費の自己負担だけです。入院中の食事代・居住費、差額ベッド代、先進医療の技術料、自費の診療や薬は含みません。
家族の医療費はまとめられますか。
同じ健康保険の世帯(被保険者と被扶養者)の自己負担は、同じ月の分を合算して上限額と比べられます(世帯合算)。ただし70歳未満は、1つの医療機関(入院・外来、医科・歯科は別)の自己負担が21,000円以上のものだけを合算します。70歳以上はすべて合算できます。
多数回該当とは何ですか。
直近12か月のあいだに高額療養費の支給を3回以上受けると、4回目から上限額がさらに下がる仕組みです。年収約370万〜770万円の人なら4回目以降は44,400円です。保険者が変わったとき(国保から協会けんぽなど)は回数が通算されません。
医療費控除とはどう違いますか。
高額療養費は保険から払い戻される制度、医療費控除は確定申告で税金が戻る制度です。両方使えますが、医療費控除を計算するときは、高額療養費で戻った額を払った医療費から差し引きます。

出典と適用年度

適用年度:2026年8月〜2027年7月最終確認:2026年10月1日

厚生労働省
高額療養費制度の見直しについて(令和8年8月〜・令和9年8月〜の自己負担限度額と年間上限)
全国健康保険協会
高額療養費(自己負担限度額・多数回該当・世帯合算・年間上限の申請)

本ツールの計算結果は概算です。正確な給与計算や税額については、勤務先の人事・経理担当者、または社会保険労務士・税理士にご相談ください。

覚えておくこと

  • 月ごと・医療機関ごと
    1日〜末日で計算する
  • 2026年8月から年間上限
    8月〜翌7月の合計に上限
  • 事前の手続きで窓口が上限まで
    マイナ保険証か限度額適用認定証
  • 申請は2年以内
    受診した月の翌月1日から