逸失利益の計算とライプニッツ係数表(自賠責保険の支払基準・年3%)

最終確認:2026年10月15日国土交通省・金融庁「自賠責保険の支払基準」別表Ⅰ〜Ⅳ(2020年4月1日以後の事故)

年齢・収入・後遺障害の等級を入れると、交通事故の逸失利益を自賠責の基準で出します。死亡の場合の生活費控除、主婦・学生の平均給与額、67歳までの就労可能年数とライプニッツ係数(年3%)の表まで。

事故の内容と収入を入れる

歳 後遺障害は症状固定のとき、死亡は亡くなったとき
平均給与額の表が男女別のため
円 有職者のみ。源泉徴収票の支払金額など。立証が難しければ0
後遺障害 第12級の逸失利益(自賠責基準)
1,334.7万円

年間収入額 5,202,000円(40歳の年齢別平均給与額・男性)

5,202,000円 × 労働能力喪失率14% × ライプニッツ係数 18.327(就労可能年数27年)

自賠責から出るのは、第12級の慰謝料等94万円と合わせて保険金額224万円まで(この条件では2,240,000円)

円単位では13,347,188円。自賠責保険の支払基準による額で、示談や裁判の基準では、収入や生活費の割合の考え方が違うことがあります

後遺障害12級・40歳の逸失利益(自賠責基準)は13,347,188円

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ライプニッツ係数表(年3%・就労可能年数1〜67年)

年数係数年数係数
1年0.97135年21.487
2年1.91336年21.832
3年2.82937年22.167
4年3.71738年22.492
5年4.58039年22.808
6年5.41740年23.115
7年6.23041年23.412
8年7.02042年23.701
9年7.78643年23.982
10年8.53044年24.254
11年9.25345年24.519
12年9.95446年24.775
13年10.63547年25.025
14年11.29648年25.267
15年11.93849年25.502
16年12.56150年25.730
17年13.16651年25.951
18年13.75452年26.166
19年14.32453年26.375
20年14.87754年26.578
21年15.41555年26.774
22年15.93756年26.965
23年16.44457年27.151
24年16.93658年27.331
25年17.41359年27.506
26年17.87760年27.676
27年18.32761年27.840
28年18.76462年28.000
29年19.18863年28.156
30年19.60064年28.306
31年20.00065年28.453
32年20.38966年28.595
33年20.76667年28.733
34年21.132

※ 国土交通省・金融庁「自賠責保険の支払基準」別表Ⅱ-1 の係数。どの値も (1 − 1.03−n) ÷ 0.03 の小数第3位を四捨五入したものと一致します。

年齢ごとの就労可能年数と係数

年齢就労可能年数係数
18歳49年25.502
20歳47年25.025
25歳42年23.701
30歳37年22.167
35歳32年20.389
40歳27年18.327
45歳22年15.937
50歳17年13.166
52歳16年12.561
55歳14年11.296
60歳12年9.954
65歳10年8.530
70歳8年7.020
75歳7年6.230
80歳5年4.580

※ 18〜51歳は「67歳 − 年齢」。52歳以上は平均余命(第22回生命表)の2分の1で、80歳でも5年あります。18歳未満の幼児・学生の係数は、0歳14.980〜17歳24.759です。

年3%と年5%:2020年4月の改正で係数はどれだけ変わったか

2020年4月1日以後に起きた事故から、支払基準の係数の表が改められました。改正前の表は年5%、改正後の表は年3%で計算した値です(1年の係数が0.952から0.971に、49年が18.169から25.502に)。差し引く利息が少なくなるので、同じ年数でも係数は大きくなり、長い年数ほど差が開きます。

年数年3%年5%増えた割合
5年4.5804.3296%
10年8.5307.72210%
20年14.87712.46219%
30年19.60015.37228%
40年23.11517.15935%
49年25.50218.16940%

※ 年5%の値は (1 − 1.05−n) ÷ 0.05 で計算したもので、改正前の表の値(49年 18.169)と一致します。

このページで計算しないもの

  • 年金を受けていた人の死亡:年金の分は、平均余命までの係数(別表Ⅱ-2)を使って別に足します。
  • 生涯を通じて平均給与額ほどの収入を得る見込みがない場合:支払基準の算式どおりにはなりません。
  • 慰謝料・休業損害・治療費:交通事故の慰謝料(自賠責)で計算できます。

逸失利益の計算ガイド:使い方と自賠責の上限の見方

交通事故で後遺障害が残ったときや家族が亡くなったときに、自賠責保険の基準で逸失利益がいくらになるかを見積もるページです。保険会社から示された額を確かめる手がかりになります。

こんなときに使えます

  • 後遺障害の等級が決まり、逸失利益がどのくらいになるか知りたいとき
  • 主婦や学生など、収入がない人の逸失利益の考え方を知りたいとき
  • ライプニッツ係数や就労可能年数を、年齢から調べたいとき

使い方

  1. 「損害」で後遺障害か死亡かを選び、「事故のときの立場」を選びます。
  2. 「年齢」に、後遺障害なら症状が固定したとき、死亡なら亡くなったときの年齢を入れます。会社員などは事故の前1年の収入も入れます。
  3. 後遺障害なら認定された等級を、死亡なら被扶養者がいたかどうかを選びます。

計算の例

45歳の主婦が追突事故でむち打ちになり、後遺障害第14級と認定されたとします。家事従事者は全年齢平均給与額の12か月分(3,580,800円)を年間収入額とし、喪失率5%、就労可能年数22年のライプニッツ係数15.937をかけて、逸失利益は2,853,360円です。

ただし自賠責から出るのは、慰謝料等と合わせて第14級の保険金額75万円までです。第12級なら逸失利益は7,989,409円、上限は224万円です。

気をつけたいこと

  • 自賠責の基準は最低限の補償です。上限を超える分や、収入の考え方のちがいは、相手の任意保険との示談や裁判で決まります。
  • 年齢は事故の日ではなく、後遺障害なら症状固定の日、死亡なら亡くなった日で数えます。
  • 年金を受けていた人が亡くなった場合は、年金の分を別に足すので、このページの額より大きくなります。

よくある質問

逸失利益とは何ですか。
交通事故がなければ将来働いて得られたはずの収入のうち、後遺障害や死亡のために得られなくなった分です。後遺障害なら「年間収入額 × 労働能力喪失率 × ライプニッツ係数」、死亡なら「(年間収入額 − 本人の生活費)× ライプニッツ係数」で計算します(自賠責保険の支払基準 第3・第4)。
ライプニッツ係数とは何ですか。
将来の何年分もの収入を、いま一度に受け取るときに、その間の利息(年3%)を差し引くための係数です。例えば20年分なら、20倍ではなく14.877倍になります。1年分の収入を1として、1年後の分は 1 ÷ 1.03、2年後の分は 1 ÷ 1.032 と今の価値に直して足し合わせたもので、支払基準の表(別表Ⅱ-1)の値は (1 − 1.03−n) ÷ 0.03 を小数第3位で四捨五入した値と同じです。
就労可能年数は何歳までですか。
原則として67歳までの年数です。40歳なら27年です。52歳以上は平均余命の2分の1を使うので(別表Ⅱ-1)、67歳までより長くなり、60歳でも12年です。18歳未満の幼児・学生は、18歳から67歳までの49年を、事故の時点の価値に直した係数を使います。
収入がない人や主婦の逸失利益は?
家事従事者(主婦・主夫)や幼児・学生は、全年齢平均給与額(月額 男性409,100円・女性298,400円)の12か月分を年間収入額とします。59歳以上で年齢別平均給与額のほうが低ければ、そちらを使います。働く意思と能力のある無職の人は、年齢別平均給与額(全年齢平均給与額が上限)です(支払基準 第3の1)。
会社員の年間収入額はどう決まりますか。
事故の前1年の収入(立証できる額)と、その年齢の年齢別平均給与額の高いほうです。35歳未満なら、全年齢平均給与額も含めて最も高い額を使います。収入を立証するのが難しいときは、35歳未満なら全年齢平均と年齢別平均の高いほう、35歳以上なら年齢別平均です。
後遺障害の逸失利益は、自賠責からいくらまで出ますか。
逸失利益は、慰謝料等と合わせて等級ごとの保険金額までです(第14級は75万円、第12級は224万円、第1級は3,000万円)。例えば40歳・年収500万円の会社員が第14級なら、年収より40歳の年齢別平均給与額(男性・年5,202,000円)のほうが高いのでそちらを使い、逸失利益は5,202,000円 × 5% × 18.327 = 4,766,853円ですが、自賠責からは慰謝料等32万円と合わせて750,000円までです。超える分は、相手の任意保険に請求します。
死亡の場合の生活費控除は何%ですか。
自賠責の支払基準では、立証が難しい場合、被扶養者がいれば35%、いなければ50%を本人の生活費として差し引きます。例えば40歳・年収500万円で被扶養者ありなら、年齢別平均給与額(男性・年5,202,000円)のほうが高いのでそれを使い、5,202,000円 ×(1 − 生活費35%)× 18.327 = 61,969,085円です。死亡の保険金額は、葬儀費・慰謝料と合わせて1人3,000万円までです。
2020年3月31日以前の事故は?
別の表を使います。2020年4月1日以後に起きた事故は年3%の係数、それより前の事故は改正前の表(年5%で計算した値)です(令和元年金融庁・国土交通省告示第3号による改正)。例えば49年なら、年3%で25.502、年5%で18.169です。このページは2020年4月1日以後の事故の表で計算しています。

出典と適用年度

適用年度:自賠責保険の支払基準(2020年4月1日以後に起きた事故)最終確認:2026年10月15日

国土交通省
自賠責保険の支払基準 関係資料(別表Ⅰ 労働能力喪失率、別表Ⅱ-1 就労可能年数とライプニッツ係数表、別表Ⅲ 全年齢平均給与額、別表Ⅳ 年齢別平均給与額)
金融庁
自動車損害賠償責任保険の保険金等及び自動車損害賠償責任共済の共済金等の支払基準(平成13年金融庁・国土交通省告示第1号、別表つき。第3 後遺障害による損害、第4 死亡による損害)
金融庁
自賠責保険の支払基準の改正(令和元年金融庁・国土交通省告示第3号、2020年4月1日以後に発生した事故に適用)
国土交通省
自賠責保険・共済の限度額と補償内容

本ツールの計算は、自賠責保険の支払基準(国土交通省・金融庁の告示)による目安です。実際の支払額は事故ごとの調査と等級の認定で決まり、慰謝料などと合わせて保険金額が上限です。任意保険や裁判の基準は別です。示談の前に、保険会社の説明を確かめ、必要なら日弁連交通事故相談センターなどにご相談ください。

作成:計算24の運営者(AIを含むツールで作成し、主な数値は出典の計算例・早見表と照合するテストで確かめてから公開しています。公開後に運営者が内容を確認し、誤りは見つけしだい直します) このサイトの作り方

要点

  • 後遺障害
    年収 × 喪失率 × ライプニッツ係数
  • 死亡
    (年収 − 生活費35%・50%)× 係数
  • 就労可能年数
    原則67歳まで
  • ライプニッツ係数
    年3%(2020年4月以後の事故)
  • 主婦・学生
    全年齢平均給与額(男性490.9万円・女性358.1万円/年)